既成概念を打ち壊す
木工を始めた当初、自分は”作家”になりたいと思っていた。職人というより、ちょっとした芸術家気取り。
いかに個性というものを表に出していくか・・・
でも、木工とは関係ないところで、その気持ちは変わった。
30年以上生きてきて、既成概念という殻が結構固く分厚く、自分の心を覆いかぶさっていて、それを思い切って打ち壊してみようというところから始まった。こころの大掃除。
そうしたら、なんだかずいぶんスッキリしてきたような。いろんな棘棘しさがなくなってきたような。
それまでは、何かあるたびに、自分の魂に、あたらしい塗料で塗り重ね。
あたらしいクロスを張りかさね・・・
どんどん自分の心というものが見えなくなって来ていて、なにがなんだか自分で自分が分からなくなって、そのたびにまた新しい塗料で塗り重ね。
分厚く塗り重ねられた、既成概念をぶち壊してみると・・・そりゃあもうすっきりです。
そして思った。
殻を厚くしていくのじゃなくて、すこしずつはがして磨いていこうと。
そして、何モノにも芯のとっても綺麗な部分っていうのはあるはずで、その綺麗なところを素直に出していきたいと思うようになった。
木工で作るものも同じように・・・
それまでひたすら自分の個性をべたべたとモノに貼り付けていこうとしていたけど、なんだかそれがちょっとかっこ悪いなあと思うようになって来た。
自分の作るものが普段の生活で普通に使う道具なので、なおさら自分という個性は必要のないものでした。
すこしずつ自分の個性を抑えて、見えなくしていくように、木の器や家具を作る・・・
