古材を挽き直して使う
大工くりきです。
吉田町の古民家の改修では、何箇所か古い柱や梁を加工し直して使用しています。
和室の厚鴨居や、玄関開口部の柱、上がり框等々。
一人では抱えられない大きな材料は、製材所で挽き直しをして、ねじれなどの癖を取り除いてもらいました。
特に、玄関の上がり框は、その取り付き方から、上から押さえつけるものがなく、施工後にひどくねじれたり曲がったりする事はご法度だったので、この家に長い間納まっていた古材は、環境にも充分適応しており、まさにうってつけだったのです。
今回の挽き直しは、製材所の大きなのこぎりで表面を平らに薄く切ります。これを4面全てに行い、きれいな四角い角材に仕立て直します。
ただ、この古材には無数の釘が刺さっており、ノコギリの刃を傷めないように、古釘を抜く作業では製材所の方に大変ご苦労をお掛けしました。(本当にありがとうございました)
手を掛けてくださった製材所の方の恩に報いるため、私としてもできる限りの技術を持って納めなければなりません。
見た目の良さもそうですが、何よりも古いとはいえ、やはり生きた木ですので、動きを考慮して各部材同士がお互いの動きを相殺しあうように施工するのは頭を悩ませました。それがまた楽しみでもあるのですが。
施工から3年余り経ちましたが、おかげさまで今のところ動きはありません。
木は、材料として使えるよう成長するまでに相当の年数を要します。
だからこそ、強度に問題がなければ、少なくとも成長しただけの年数は使ってやりたい、いや、それ以上使ってやりたいものです。
そんな木の成長に比べたら人間の一生などなんと短いことか。
だからこそ大切に使いたいですね。
栗木斎へメール→ku-ri-ki@nifty.com
おはぐろ液
M.SAIToです。
木の器や、家具などを黒く着色することがあります。そんなとき、化学塗料や着色料を使って色を付けるのではなく、できるだけ自然の力を使って色を付けていきたいものです。
そこで、草木染の技法で木に色をつけています。
ここで登場するのが「おはぐろ液」。漢字で書くと、「鉄漿液」(「かねえき」ともいいます)
”鉄”という文字が入ってくるとおり、鉄の溶けこんだ液体で、この鉄分と植物に含まれるタンニンが合わさって、黒や他の色を発色させるのです。
このおはぐろ液は媒染液と呼ばれるもので、染液と合わさることで、染液を発色させ、染めたいもの(木地や、布の生地)にしっかりと定着させる働きがあるものです。
ところで”おはぐろ液”というものはそもそも何かというと、酸の液体に鉄をそのまま溶かしたもの。
もっとも身近にある酸といえば、お酢。
普通のお酢に、鉄の釘を入れておけば、鉄分が徐々に溶けていって「おはぐろ液」ができます。
もともとタンニンを多く含む栗の木などに、おはぐろ液を塗ると、それだけで真っ黒になります。
齋藤正明へメール→info@msaito.net
木材の切り旬
木材の市場は年間を通して行われるため、木の伐採も一年中行われます。
しかし、自然に栽培される野菜や果物に旬があるように、木にも切り旬があり、寒さのため成長の止まる冬が、木材の伐採に最も適した時期になります。
そのため、材料の仕入れもこの寒い冬の時期に行います。
昨日、今年初めての仕入れのため木材市場へ。
周囲に積雪は見られませんでしたが、厳しい寒さのため丸太の表面は真っ白に。
指先も足の先も、寒く冷たいのを通り越し痛くなりましたが、丸太を眺めるのはそれ以上に楽しく、痛みをこらえて一時間ほど見てまわりました。
広い敷地に並べられた、たくさんの丸太。
同じ種類の木であってもその表情は様々。
全体を眺めながら、「これは!」という木を探します。
幸い、気に入ったものを数本ですが仕入れることが出来ました。
さあ、続いてのお楽しみは製材です。
今回の丸太は果たしてどんな表情を見せてくれるのか。
今からとても楽しみです。
(大工くりき)
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